日本におけるヘルスリテラシー

日本人のヘルスリテラシーは、海外と比較して低い傾向があります。日本人はマスメディアを強く信用する人が多く、テレビで流れる情報はすべて正しいと認識している人もいます。しかし実際はテレビや新聞、雑誌であっても、ときに間違った情報を流してしまうことがあるのです。マスメディアは営利を目的とした企業であるため、偏向報道をすることもあります。すべての情報を無条件に受け入れるのではなく、疑ってみることも時には大切です。

日本人は病気は治療するものと認識している人が多く、一般の方だけでなく看護師にもそうした考えを持った人が見られます。一方で欧米では病気は予防することが大切と考える人が多いのです。歯科を利用する状況においても、アメリカ人は定期的に予防歯科を受ける人が多いのに対して、日本人は歯が痛くなってから歯科に行く傾向があります。このようにヘルスリテラシーの低さが原因で、病気を重症化させてしまうのです。ヘルスリテラシーを高めるには、予防意識を持つことが重要になります。

例えばインフルエンザなどの予防接種は積極的に受ける、などが挙げられます。自分は罹らないという根拠はどこにもありません。健康的に長生きするためには、いかに病気を予防するかが大切です。定期的に健康診断を受けておけば、高血圧や高血糖、脂質異常症などの生活習慣病も予防できます。病気になると身体に負担がかかり、寿命を縮めてしまう原因になりかねません。高齢になっても健康に生活するために、日本人のヘルスリテラシーの底上げが必要といえます。