看護現場で重宝するヘルスリテラシー

近年、看護師に強く求められる能力がヘルスリテラシーです。健康を増進する方法は無数に存在しますが、すべてが自分に合うとは限りません。ダイエットを例にしても、食事制限が必要な人もいれば、運動を中心にして痩せるべき人もいます。生活習慣や体調、体質などは一人ひとり異なるので、最適な健康法も変わってくるわけです。看護師がヘルスリテラシーを高めることは、自分自身の健康維持はもちろん、患者さんの生活の質を高めることにも直結します。

看護師の役割は患者さんの症状を軽減するだけではありません。病気がこれ以上進行しないように予防し、治ったあとは再発を防止する役割もあるのです。予防意識を持つことは最大のヘルスリテラシーであり、これは病気が発症しなければ治療する必要性がないためです。治療には少なからず苦痛を伴うことが多く、精神的な負担につながります。闘病によるストレスが原因で、治療が長引いてしまうケースは多いのです。

ヘルスリテラシーの一環としては、健康診断を定期的に受けてもらうことが大切になります。健康診断は病気をいち早く発見するために必須です。例えば、肝臓は沈黙の臓器といわれており、機能が大きく低下しなければ症状が表面化しません。体調に問題がないからと健康診断を受けなければ、肝機能の低下に気づけない可能性があるわけです。健康診断は三大成人病を予防するためにも大切です。がんや心筋梗塞、脳梗塞などは健康診断や人間ドックを定期的に受けておけば、高確率で発症を抑えられます。